税込2,700Yen
日本古来の伝統弦楽器 “箏” koto がジャズを身に纏い飛翔する。
箏がジャズを引き寄せジャズが箏に魅せられる。
箏・17弦・ジャズギター ユニット ”Ramses”ラムセス
10曲入り——————————————————-
1st Album 「夜箏曲」 〜Yasoukyoku〜
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箏(琴)
13絃:ベルベット裕子 / 17絃:堀籠保美 / ジャズギター:宮本政志
Special Support ☆ ドラム:千光士実
正統派ジャズで真っ向から繰り広げられる魅惑のジャズ箏ユニット、
ラムセス。
ジャズの先人達が箏に舞い降り新たな翼で飛翔する。
唯一無二のサウンドで魅了するラムセス・ワールド!
ジャズ箏カルテットとしてドラムを加えた躍動感溢れる痛快ジャズ。
ジャンゴ・ラインハルト作ヌアージュ(雲)、 ファッツ・ウォーラー作ジターバグ・ワルツ他のジャズスタンダード からオリジナル曲までストレート・アヘッドなジャズにこだわった作品。
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Ramses 1st album [Yasoukyoku]
Two JAZZ-KOTO Unit
13 strings Sou : Velvet Yuko 17 strings koto : Yasumi Horigome (Yasminn) Jazz Guitar : Masashi Miyamoto (Compose , Arrangement) Drums : Minoru Senkouji
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「夜箏曲」 Yasoukyoku
1 Dinner Time / Masashi Miyamoto 2 夜箏曲 (yasoukyoku) / Masashi Miyamoto 3 On Green Dolphin Street / Bronislau Kaper 4 Jitterbug Waltz / Fats Waller 5 Bitter Sweet / Masashi Miyamoto 6 Rachmaninov Piano Concerto No. 2 3rd movement / Rachmaninov 7 Come Rain or Come Shine / Harold Arlen 8 Szabor / Masashi Miyamoto 9 Nuages / Django Reinhardt 10 Pork Pie Blues / Masashi Miyamoto
CDジャーナル ミニ・レビューより
ん、ラムセス2世!? ジャズ、箏? 不思議なヒントが続く作品。 かつてハープ・ジャズのドロシー・アシュビーに出会って以来の不思議なスウィング感が伝わる。 「ジターバグ・ワルツ」まで聴いてさらにその感が強くなった。 ベース、ギター、ドラムとの4人が溶け合って“ジャズ”を再認識させてくれる。★
http://artist.cdjournal.com/d/yasoukyoku/4114082578
↓ ジャズ評論家 富澤えいち氏 ブログ 引用させていただきました。
————————————————————————- 【JAZZ】ラムセス『夜箏曲』はジャズの“異端”の限界を広げてしまった ———————————————————————————-
話題のジャズの(あるいはジャズ的な)アルバムを取り上げて、曲の成り立ちや聴きどころなどを解説します。今回はJazz箏ユニット“ラムセス”『夜箏曲』。
ミスマッチが人を惹きつけるのはなぜだろう? 食べ物の世界では「酢豚のパイナップル」に始まり、最近では“ちょい足し”と称してそれまで組み合わせなかった食材を積極的に加えたりしている。日本人が移り気で好奇心旺盛であるからかどうかは定かでないけれど、異色の組み合わせが生み出す意外性を楽しみ、新たな文化として認める気風があることは確かだろう。
そこでこのラムセスである。
名前に至るまで貫くミスマッチ
ラムセスは、十七絃箏のYasminnこと堀籠保美と十三絃箏のベルベット裕子こと小野裕子、ギターの宮本政志の3人が2010年に結成したユニット。 命名の由来は「それぞれが過去にエジプトを訪れたことがありエジプト文明に共感」したからという、これまた箏とはミスマッチなものだったりする。本作ではサポートにドラムの千光士実を迎え、ファースト・アルバムを完成させることになった。
ちなみにラムセスは、古代エジプトで“ラー神=太陽神の創造した者”を意味し、紀元前1500年代から1000年代ぐらいまでのエジプト新王国時代のファラオ=君主の名前に多く用いられた。
ジャズの中心とは距離があった箏
箏とジャズに関しては、フリー・ジャズというキーワードを介して接点があった。というのは、1960年ごろに高まった現代音楽における“邦楽器ブーム”によって箏の人材が邦楽以外のジャンルで演奏する機会が増え、現代音楽の一潮流でもあったフリー・ジャズとのコラボレーションが多く実現することになったからだ。 数は少なくなったが、現在でもジャズとの交流を続ける箏奏者は存在し、ボクの個人的なイメージでも“箏とジャズ”と言われてすぐに思いつくのは、インプロヴィゼーション系のパフォーマンスだったりする。
しかしこのラムセスは、真っ向からこうしたイメージを壊してくれた。 彼らはオーソドックスなジャズのアプローチを箏によって表現している。それはある意味で、いままで“マッチしないから”と避けられていたサウンドであるとも言える。 邦楽器は全般的に構造上の制約から西洋音楽を演奏することに向かない作りになっている。 とくにダイアトニック(全音階)である点はジャズなどの洋楽を演奏する際に大きな障壁となってしまう。
もちろん、たとえば箏では“押し手”と呼ばれる半音階を表現できる技法もあるが、それを多用する演奏は困難を極めることになる。 さらに音量的なハンディキャップも無視できない。 要するに、“仲間になれない宿命”を背負っているような楽器なのだ。 なのになぜジャズを演奏しようと思ってしまったのだ、ラムセスよ。
原初的な情動を惹き起こすジャズ箏の誘惑
最初に聴いたとき、ラムセスのサウンドに違和感を感じなかったと言ったら嘘になる。リード楽器である箏のタッチと音色が気になりすぎて、曲が曲として耳に入ってこないのだ。気になったから繰り返して聴いてみるのだが、例の“押し手”による半音階もギターのチョーキングとは異なって、落ち着かない。なんなのだろう、この落ち着かなさは……。
ところが、その落ち着かなさが次第に病みつきになってしまった。 それはまるで、アメリカ大陸へ連れていかれたアフリカの人たちが、初めて手にした西洋楽器で聴いたこともない西洋音楽を奏でるようになった“ジャズの原初”を思い起こさせるのではないかと、ボクに錯覚させたからかもしれない。
本作は、ピアノ・トリオやヴォーカルもののジャズでなければジャズとは呼びたくないという人には薦めない。 インプロヴィゼーション好きでオルタナティヴ系のサウンドに食いつく人にも合わないだろう。ターゲットはたぶんとても狭い。狭いんだけど、おもしろい。ワクワクするのだ。 このワクワクは、ジャズに雑食性があるからこそ生まれる“期待感”なのではないだろうか。
それを共有できる人が聴いてくれれば、それでいいと思う。
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